【シリーズ連載03】選ばれるための要素『なぜあなたなのか』が見つかる3つの場所


何をしている会社かより、『なぜあなたなのか』が重要になる
会社のWebサイトを見ると、「何をしている会社なのか」は、分かります。
サービス
商品
価格
実績
対応エリア
会社概要
など必要な情報は、きちんと書かれています。それなのに、何社か比較しているとどこも似ているように見えてきます。決して悪いWebサイトではありません。説明も分かりやすい。デザインも整っている。
でも、「この会社にお願いしたい」というところまで、なかなか気持ちが動かないこともあるのではないでしょう。
「何ができるか」だけなら、似てくる
例えば、Web制作会社ならWebサイトを作る際、スマートフォンに対応させて、お客様自身で更新できるようにする。SEOもしっかりと整える。さらには、写真も撮影する。そして、公開後もサポートする。
このようにある程度、提供するサービスは似ています。
建築会社でも、税理士でも、コンサルタントでも、製造業でも同じです。
同じ業界にいる以上「何ができるか」には、どうしても共通部分が出てきます。
そこで差を出そうとすると、
高品質
スピード対応
丁寧
お客様に寄り添う
という言葉が並びます。もちろん、どれも必要です。でも競合も同じことを言っていたら、それだけでは違いになりません。そこで必要になってくるのが、「なぜ、あなたなのか」です。

差別化はデザインだけの問題ではない
これは単なる広告表現の話ではありません。
2026年版中小企業白書では、製品・商品・サービスの差別化を重視している企業のほうが、重視していない企業より付加価値額の増加率が高い傾向が示されています。
さらに、差別化によって適切な価格設定を行うことが、付加価値の増加につながるという考え方も示されています。
▼参照:2026年版中小企業白書
つまり「他社と何が違うのか」は、デザインの話である前に、経営の話でもある。ということです。
価格だけで比べられたくない
相見積もりだけで決められたくない
安い会社ではなく、自分たちの価値を理解してくれるお客様と仕事をしたい
そう考えるなら、「うちは何を売っているのか」と同じくらい、「なぜ顧客は、うちを選ぶのか」を整理する必要があります。

AI時代「整っている」だけでは違いになりにくい
AIによって、以前より簡単につくれるものが増えました。
文章
コピー
画像
企画
資料
Webサイトのたたき台
小さな会社でも発信しやすくなったことは、とても良い変化だと思います。
ただ、誰でも一定レベルまで整えられるようになるほど、「整っている」というだけでは差がつきにくくなる、とも考えられます。
だからこそ、
実際に経験してきたこと
そこから得た考え方
お客様との関わり方
失敗から学んだこと
長く続けてきたこと
自分たちなりの判断
こうした、その会社にしかない材料が、これからますます大切になっていきます。では、それをどうやって見つけるのか。私たちはまず、3つのモノ・コトが重要だと感じています。
1. お客様から何度も言われていること
最初に確認することは、自分たちの言葉ではなく、お客様の言葉です。
「説明が分かりやすかった。」
「返信が早くて安心した。」
「そこまで考えてくれるとは思わなかった。」
「相談しているうちに自分たちの強みが分かった。」
「こちらが言葉にできなかったことまで汲み取ってくれた。」
一度なら偶然かもしれません。でも、違うお客様から何度も似たことを言われているなら、そこには、自社の特徴がある可能性が大いにあります。面白いのは、会社側では、「そんなの普通ですよ」と思っていることが多いことです。
自分たちにとっては当たり前。だから、Webサイトにも書いていない。営業でも話していない。
でも、お客様にとっては当たり前ではない。ここに『選ばれる理由の種』があります。
2.「そこだけは譲らない」と思っていること
次に確認してみたいのが、前回の記事🔗でも出てきた会社の判断基準です。
納期が厳しくても確認工程は省かない
利益が出ても方向性が合わない案件は受けない
お客様が希望しても成果につながらないと思ったら別案を出す
制作に入る前に必ず話を聞く
写真は単なる飾りではなくブランドを伝えるものとして考える
こうしたものです。効率だけを考えれば、やめてもいいことかもしれません。
でも「そこは変えたくない」と思っている。そこには、会社が大切にしている価値観があり「何をしているか」以上に、「なぜそこまでやるのか」に会社らしさが出ます。
ここは、とても大切です。
3. これまで積み上げてきた経験
もう一つは、過去です。
会社を始めた理由
今のサービスが生まれた背景
失敗した経験
お客様から教えてもらったこと
長く続けてきた仕事
何度も改善してきた方法
業界の中で感じてきた違和感
こうしたものは、その会社にしかありません。
例えば「Webサイトを制作します」なら、多くの会社が言えます。
でも、
“多くの中小企業と関わる中でWebサイトそのものより先に、会社の強みや言葉が整理されていないケースを何度も見てきた。だから、制作前にその会社らしさを整理することを大切にしている”
となれば、少し見え方が変わります。
なぜ、その進め方なのか理由がある。経験がある。考え方がある。
これらは、簡単にはコピーできません。

「強みは何ですか?」だけでは見つけにくい
自社のブランドを整理するとき「御社の強みは何ですか?」と聞かれることがあります。
この質問、意外と答えるのが難しい場面が多いのではないでしょうか。「強み」と言われると、何か他社よりすごいものを探そうとしてしまうからです。そこで私たちは、質問を少し変えたほうがいいと思っています。
なぜ、そのやり方をしているんですか?
なぜ、そのサービスを始めたんですか?
なぜ、そこだけは譲れないんですか?
なぜ、そのお客様と仕事をしたいんですか?
こちらのほうが、その会社らしい答えが出やすい。そして「なぜ?」を何度も重ねていくと最終的に、「私たちは、何を大切にする会社なのか」というところにたどり着きます。
「なぜあなたなのか」を4つに分けてみる
ここまで出てきたものを、一度整理します。
難しいブランド用語を使わなくても、次の4つくらいから始めれば十分です。
なぜ、自分たちは(どんな人・会社の)役に立ちたいのか
なぜ、この商品やサービスを提供しているのか
なぜ、この提供方法なのか
なぜ、その進め方や考え方を大切にしているのか
これらの4つを並べてみます。
例えば「中小企業のWebサイトを制作しています」だけなら、「何を」の説明です。
そこに、
“良い会社なのに、その良さが十分に伝わっていない中小企業に対して、会社の強みや考え方を整理するところから入り、言葉・写真・デザインまで一貫してWebサイトに落とし込む”
となると『誰に・何を・なぜ』が見えてきます。同じ「Web制作」でも、少し違って感じられるはずです。
大切なのは、格好いい言葉をつくることではありません。
実際にやっていることと言葉が一致していることです。

Webサイトは「できること一覧」ではもったいない
会社のWebサイトには、サービス内容・価格・実績・会社概要がほぼ間違いないく掲載されています。
これはらもちろん必要です。でも、お客様が同業他社と比較したとき、「できる・できない」や「高い・安い」という比較になりやすいことがほとんどではないでしょうか。
だから、
なぜ、この事業をしているのか
なぜ、このやり方なのか
何を大切にしているのか
どんなお客様と仕事をしたいのか
どんな経験を積んできたのか
こうしたものもしっかりと伝えていくことが大切です。
するとWebサイトは、単なる「サービスを説明する場所」から、「この会社にお願いしたいと思ってもらう場所」へ少しずつ変わっていきます。
私たちは、Webサイトの本当の役割は、こちらに近いと思っています。
選ばれる理由は言葉だけでは完成しない
そして、ここから次の問題が出てきます。
「なぜ自分たちなのか」が見えてきた。
でも、それがお客様に伝わらなければ意味がありません。
言葉・写真・デザイン・Webサイト・会社案内・営業資料・接客
それぞれが違う方向を向いていたら、せっかくの価値が弱く見えてしまいます。
逆に、会社の考え方と、言葉と、写真と、デザインが繋がっていると「この会社はこういう会社なんだな」が伝わりやすくなります。
そして、これは価格にも関係してきます。
価値の伝わり方を考える
価格だけで比較されたくない。ちゃんと価値を理解してくれるお客様と仕事をしたい。できれば、価値に見合った価格で提供したい
そう思う会社ほど、価値そのものだけでなく『価値の伝わり方』まで考える必要があります。
先にご案内した2026年版中小企業白書でも差別化と適切な価格設定による付加価値向上の重要性が示されています。
では、価値はある。実績もある。お客様にも評価されている。
それなのに、なぜ価格を上げるのは怖いのでしょうか。
次回は、『値上げできない会社ほど、デザインを見直したほうがいい』というテーマで考えてみます。
デザインを「きれいにする」という話ではありません。価値に見合った価格で選んでもらうために、デザインは何ができるのか?第4回から、いよいよデザインと経営の関係に入っていきます。
HS広告スタジオでは、お客様の課題に合ったクリエイティブをご提案・ご提供しています。
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