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執筆者の写真saygo

CI(コーポレートアイデンティティ)/将来的に利益拡大につながる戦略のひとつ。

こんにちは。HS広告スタジオの日置です。

今回も僕達のHS BLOGに来ていただき、ありがとうございます。


コーポレートアイデンティティ

英語表記/CI:Corporate Identity


独立起業して実際に経営といった立場に立つ人には、よく耳にする言葉だと思います。


ただ、理念とか思想とか一言で説明するにはあまりにも難しいと考えています。具体的に、そして簡潔な説明にすると、企業の存在価値を高めていく企業戦略/ブランディング戦略のひとつだと僕たちは考えています。


企業にある文化の特性や独自性などを整理整頓し、理念やビジネスビジョンを構築し、統一されたイメージやビジュアル・メッセージにして発信し、社会や市場と共有することでその存在価値を高めていく戦略となります。


CIとひと言で言う時もあれば、CI計画、CIプロジェクトと言う時もあります。


聞いたことはあるんだけど正直、詳しくはわからない。という方もいると思いますので今回のこちらのブログでもう少し詳しく説明していきますね。




CIとは

会社や企業が目指す「らしさ」や、こうありたいといった姿を具体的/体系的に整理整頓して、考え得るあらゆる接点を通して社会と市場に浸透させていく事です。


その「らしさ」とは何か。


会社の存在そのものがどうしてそうあるのか、どのような理念/思考を持っているのか、そしてどのような商品やサービスを展開し、どの市場/社会に向かっていくのか。これらの問い掛けから出す答えが「らしさ」になっていきます。そしてその「らしさ」が持つイメージや発信していく道程をも、会社全体の同一認識として持つ事でCIが確立されていきます。


そして確立されたCIを、企業理念・メッセージ・ロゴマーク・ブランディング・マーケティング・商品/サービスコンセプトなどに落とし込み、一貫したメッセージやビジュアル、デザインを創り上げていきます。その結果、ユーザーの体験などを通して、社会や市場に認知され続けるようになっていきます。


そのためCIにとって重要なことは、どういった考えを基に、どういった行動をして、どのような表現をしていくか、ということを計画/実行し、社会と市場に浸透させていく、ということです。決して、ロゴマークやコーポレートカラーを変えるとか、そういった単純なことではないことを覚えておきましょう。




CIに取り組むメリット

CIをビジネス戦略として取り組んでいくと、事業や会社を営んでいくうえでとても大きなメリットを得ることとなります。



_独自性を高めて差別化を図れる


これは単純な説明として「オンリーワン」を築き上げやすくなるということです。同業種/同業界において、自社の明確な「らしさ」を打ち出せれば、第一人者としての立場を得ることが出来、他者から入り込まれない環境を作ることになっていきます。結果として、自社にしか提案/提供できない商品やサービスを自由に展開できるようになっていけます。



_企業理念を社内で共有することで企業としての質がアップ


CIの最も大きなメリットになるのがここです。

自社がどうなっていくのか、どこを目指しているのか、といった企業理念を全従業員がしっかりと認識すれば、従業員各自が「らしさ」を自ら考え行動できるようになっていきます。それがきめ細やかな顧客対応となっていき、すぐには利益にならなくても働く事へのモチベーションアップをはじめ、生産性の向上、顧客満足度のアップへと繋がるため、最終的には全体的な利益へと発展していきます。そして利益だけでなく、会社としての品質(=人格)も上がっていく結果となります。



_コミュニケーションの向上が図れる


CIを確立させるということは、会社の立ち位置が明確になるということです。立ち位置が明確なると、とるべきコミュニケーションも具体的になり伝えたいことが伝えやすくなります。そうなると顧客や市場からの理解度も深まりやすく、コミュニケーションが円滑になっていきます。その結果として口コミで自社やサービス、商品のことが広まりやすくなり、更にはメディアに取り上げられやすくもなります。




中小企業こそCIを積極的に採り入れていこう

CIは大企業が行うもの、というイメージを持たれている人が多いと思いますが、これから会社を大きくしていきたい。いろいろなサービスを展開していきたい。と思う中小企業にこそ積極的に採り入れて、取り組んでいってほしいと切に想っています。


大企業も最初から大企業というわけではなく、CIを積極的に取り組んで「自社はこういうイメージ」というものを伝え、その発信や広報が世の中や市場に伝わり、広がったからこそ大きくなった所が非常に多くあります。


ぜひこれからの成長と発展のためにもCIを採り入れて、積極的に顧客に伝える施策をしていきましょう。




CIの主な構成

CIを構成しているものとして主に次の3つがあります。


  • MI:マインド・アイデンティティ (Mind Identity) 理念の統一 BI:ビヘイビア・アイデンティティ (Behavior Identity) 行動の統一 VI:ビジュアル・アイデンティティ (Visual Identity) 視覚の統一


■MI:理念の統一

企業の目指す理想/あるべき姿をはじめ、企業経営の基盤となり社会へ与える価値を示す企業理念、更には社是や行動指針などを統一させます。


■BI:行動の統一

企業理念を実現するための戦略を具体的にどのように現実化していくかを設定し、経営目標を達成するための行動指針も設定します。


■VI:視覚の統一

MIとBIで設定したコンセプトを視覚化して、市場と顧客に感覚的、そして感情的にすら訴求できるようにデザイン作成していきます。ロゴマークや販促ツールのイメージ、ブランドカラーの統一化をしっかりと図ります。




CIの主な進め方

ここでは主にCIを取り組む時の進め方を書いていきますが、弊所でのやり方となりますので必ずしも正解とは限らないです。参考に読んでいって頂ければ幸いです。



_プロジェクトメンバーの招集


制作会社と依頼会社の双方からメンバーを招集することが理想です。制作会社のみで取り組んでしまうと、どれだけ最初にヒアリングし打ち合わせをしても、依頼会社の都度の生の声が出にくくなってしまい、ボタンのかけ違いも起こりやすくなってしまいます。CIの取り組みは会社の文化や歴史を理解して会社の未来を考え構築していくこととなるため、常に内外部からの視点や意見は出やすく聞きやすい状況にしておく必要があります。



_現状の調査と分析


現状の調査と分析は次の項目で行うとスムーズに進んでいくことが多々あります。

  • デザインとシステム(CIへの理解)

  • 会社や業界の文化/歴史

  • 従業員が抱く会社へのイメージ

  • ツールのラインナップ

  • ツールの作成時期

  • 価格と使用量の設定

  • 他社ツール

広報や人事のような経営に携わる部門のメンバーを入れることも重要です。日常的に採用活動を行なっている為、必要な情報が集まりやすくなります。また、社会や市場に対して自社を説明する機会も多くなる為、客観的に会社の姿を捉えることの出来るメンバーが入ることは必然的となります。



_コンセプト設計


分析をもとに次の項目をメインにすると良質なコンセプト設計が出来ていきます。

  • ■与えたい印象:与えたい印象についてですが、発信側が与えたい印象ではなく、顧客やユーザーが受け取りたいであろう印象を第一優先に考慮して模索・対策をしていくことが必須となります。ここで発信側の想いが強くなりすぎてしまい躓く傾向が多いことがよくあります。

  • ■デザイン:デザインについては、使用書体・色・雰囲気(イラストを使うのか写真を使うのか等)を最低限、決めることが必須となります。

  • ■ラインナップの整理:ラインナップの整理としては使用頻度を考慮して、何を最初に作成するかを決めると良いです。頻度の低いものも最初から作ってしまうとコストが余計に高くなってしまいます。まずは高いものから作成してその後、精査してどういったツールを揃えていくかを決めていっても遅くはありません。

  • ■機能性の施策:機能性については、次の項目の「プロトタイプの制作」で細かく書いているので、次項を読んでほしいのですが、機能性の施策に関してはコストダウンにも繋がるので予算が許す限り取り入れてほしい施策となります。



_プロトタイプの制作


コンセプトが固まったら、プロトタイプを制作しましょう。 プロトタイプについては完成度を求めるよりも、CIが持つことになる/発信することになるイメージを共有できる状態に近づける事が重要です。例えば、どのように印刷されるのか、どのような見え方になるのか、どのような使用感になるのか、実際に目にしたり手にしたりした時の感覚がしっかりと解り、共有出来るものを制作するよう心掛けてください。

そうすることでより具体的なアイデアが出てきて、より完成度の高いCIやCIツールが生まれやすくなります。



_経営判断


依頼会社へのプレゼンとなりますが、ただ制作会社がプレゼンを行なっていくだけでなく、お互いに意見交換が出し合える良い機会、というような場だと捉えて臨んでください。ただ、拙速案にならない為にも最終的には依頼会社のトップの判断で決まることがベストだと思ってください。

また社内プロジェクトになる場合、普段からよく見知った相手でも、軽い提案にならない為にも、クライアント相手だと想いしっかりとプレゼンを行うことが大切です。



_ブラッシュアップ


経営判断で得たプロトタイプへの感想や感覚、気になる部分、さらには細かい箇所を調整していき、経営トップが納得できる形へと仕上げていきます。 メンバーとしては最初に提案したスタイルや形がベストだと考えがちですが、経営トップと共にブラッシュアップしていったものの方がより会社を具現化したものとして受け入れられやすくなります。



_運用ルールの整備と共有


CI/CIツールは全従業員が使うことで正確に機能するものとなる為、運用ルールの整備と共有が必須となります。最初は戸惑いや不安・不満などの反応の方が多いことが大半です。 ただ、是非問わず、従業員が意見を持つ事は、各々がしっかりと自社に対して深く考える機会が出来た証とも言えます。全従業員が自分の立場で会社をどのようにしたいか、していきたいかを考えられる組織は世の中の変化に強い組織になっていきます。 そういった機会や文化・風土・土壌を会社に生み出すためにもCIの採り入れ、取り組みはとても重要なのものと僕たちは考えています。





まとめ

働き方改革の一環として数年前から言われている働き手の確保ですが、会社の文化や風土、土壌が好まれる雰囲気であれば、就業希望者は途切れないと思っています。その雰囲気を作ることがCIの最大の目的でもあります。


社員のモチベーション向上、会社のロイヤリティ向上、社会/メディア/市場へのイメージ管理、顧客/ユーザーへの付加価値の提供、といった意味や意義なども含み、CIは会社全体を取り囲む物事全てに将来的に大きな利益を生み出す役割を十二分に持っています


今回のブログ記事が参考になり、CIに本格的に取り組んで頂けることとなれば嬉しく感じます。また僕たちは、そのCIをも含んで広告デザインを創ることもありますので、どんなことでもご相談戴ければ、さらに嬉しく想います。


最後までお読みくださり、ありがとうございます。


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