短時間でアイデア量産!7つの視点で発想を広げる『SCAMPER法』をご紹介
- tetsu
- 8月12日
- 読了時間: 6分

新しい商品やサービスを考えるとき、つい「いいアイデアが出るまで考え込む」という時間の使い方をしていませんか?または、考える前に検索などで調べる時間に多くを費やしてしまっていませんか?
経営者や個人事業主にとって、スピード感を持って発想し、形にする力は大きな武器です。
そこでおすすめなのがSCAMPER法。
これは、たった7つの質問を順に投げかけるだけで、短時間に大量のアイデアを生み出せるフレームワークです。
SCAMPER法とは?
SCAMPERは以下7つの視点の頭文字。
既存のサービスや商品を、この7つの方向から「変化」させることで新しい発想を生み出します。
S – Substitute(置き換える) 別の素材・部品・要素に置き換えたらどうなる?
例)紙のパッケージを布製に置き換える。
C – Combine(組み合わせる) 他の要素や機能を組み合わせられないか?
例)ノートとペンを一体化する。
A – Adapt(応用する)
他分野のアイデアを応用できないか?
例)ゲームのランキングシステムを学習アプリに応用する。
M – Modify / Magnify(修正・拡大する) 形・サイズ・色・機能を変えるとどうなる?
例)スマホ画面を倍の大きさにして視認性を高める。
P – Put to other uses(他用途に使う) 本来の用途以外に使える方法は?
例)ワイン木箱を収納棚に転用する。
E – Eliminate(削除する) 省いても成立するものは?
例)ホテルのフロントを無くして完全セルフチェックイン化する。
R – Reverse / Rearrange(逆転・並び替える) 順序や視点を逆にしたらどうなる?
例)デザートを食事の最初に出すレストラン。

ビジネスでの実践方法
SCAMPER法は、ただ7つの視点をなぞるだけではもったいないフレームワークです。経営者や個人事業主が活用するなら、以下の流れで行うとより良い効果が期待できます。
【ステップ1】テーマを明確にする
まず、発想の対象をはっきりさせます。ここで注意したいことは、顧客体験の向上テーマを広げすぎないことです。広げすぎると、質問の方向性がぼやけます。
新しい商品の企画
既存サービスの改良
集客施策や販売方法の刷新
【ステップ2】7つの質問でアイデアを出す
各視点ごとに「もし〜したら?」という形で問いを立て、制限時間を設けて書き出します。1つの視点につき2〜3分が目安。制限時間を設けることでスピード感が生まれ、深く考え込みすぎずに多くの案が出せます。
重要なのは、『良い・悪い』の判断を後回しにすることです。
【ステップ3】チームや外部パートナーと共有する
1人だけで出せるアイデアには限界があります。異なる専門分野や顧客層を持つメンバーに加わってもらうと、まったく想定していなかった方向からの発想が飛び出します。現場スタッフや営業担当、デザイナー、さらには既存顧客に意見を求めるのも効果的です。
【ステップ4】優先順位をつけてアクションに落とし込む
出てきたアイデアは、すぐ実行できるものから着手します。選定の基準は次の3つがおすすめです。
効果の大きさ(売上や認知度の伸びが期待できるか)
実行のしやすさ(コスト・人員・期間の負担が少ないか)
新規性や差別化の度合い(競合と明確に違いが出るか)
ここまで落とし込めば、「ただのアイデア」から「動き出す企画」に変わります。
SCAMPER法を使うメリット
経営の現場では、発想法そのものよりも『結果を出せる発想法』が求められます。SCAMPER法をビジネスに取り入れると、次のような効果が得られます。
【メリット1】短時間で方向性を見つけられる
通常のブレストや会議では、最初の案が出るまでに時間がかかります。SCAMPERは視点が最初から決まっているため、発想の入り口を迷わずに済み、30分でも十分なアイデア数を確保できます。
【メリット2】既存資産を最大限活用できる
新しいことをゼロから作るのは時間もコストもかかります。SCAMPERは既存の商品・サービス・ノウハウを土台に変化を加えるため、投資を最小限に抑えながら新しい価値を生み出せます。
【メリット3】発想の行き詰まりを突破できる
「もう案が出ない…」という状態は、視点が固定されていることが原因です。SCAMPERの7つの視点は、無理やり思考を横に広げるため、頭の中のブレーキを外す効果があります。
【メリット4】競合との差別化がしやすい
他業界の発想を応用したり、要素を大胆に入れ替えたりすることで、競合が思いつかない切り口を生みやすくなります。これは特に中小企業や個人事業主にとって、強力な差別化戦略になります。
【メリット5】チームの発想力が鍛えられる
定期的にSCAMPERを取り入れることで、メンバー全員が「視点を変えて考える習慣」を身につけます。これは一度きりの効果ではなく、長期的に組織全体の企画力を底上げします。
〜ミニケーススタディ〜
小さなパン屋の売上アップ事例
< 背景>
郊外で営業している小規模パン屋。固定客はいるが、新規客の来店数が伸び悩んでいた。オーナーは「広告費はあまり使えないが、新しい集客アイデアが欲しい」と考えていた。
< SCAMPER法の適用>
S – Substitute(置き換える)
通常の紙袋を「エコバッグ代わりに使える布袋」に変更し、再来店を促す。
C – Combine(組み合わせる) 地元カフェと提携し、パン&コーヒーのモーニングセットを販売。
A – Adapt(応用する) 書店の「ポイントスタンプ」を応用し、パン購入ごとにスタンプを貯める仕組みを導入。
M – Modify / Magnify(修正・拡大) 通常の小さなクロワッサンを3倍サイズにして「週末限定ジャンボクロワッサン」として話題化。
P – Put to other uses(他用途転用) 売れ残りパンを冷凍して、翌日「お得パック」として販売。食品ロス削減もアピール。
E – Eliminate(削除) 平日昼間の対面販売を一部省き、事前注文の受け取り専用時間を設定して効率化。
R – Reverse / Rearrange(逆転・並び替え) 通常は朝に焼く食パンを夜焼きに変更し、「仕事帰りに焼きたてが買えるパン屋」として差別化。
< 結果>
地元SNSで話題になり、新規客が1.5倍に増加
廃棄ロスは月間20%削減
再来店率が2か月で12%アップ

まとめ
ビジネスでは「完璧なひらめき」よりも、「試して改善できる案」をいかに早く出せるかが重要です。その意味合いでいうと、SCAMPER法は、既存のサービスや商品を新しい角度から見直す強力な武器になります。次の企画会議や商品開発で、7つの質問をぜひ試してみてください。短時間で、思わぬヒットの種が見つかるでしょうう。
今回の記事があなたの参考になれば、嬉しく思います。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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